【後記】美しくない

帰国日。

快晴。

俺は多くの荷物を持って光化門の駅にいた。朝7時。

ある方法で切符を買わずに駅構内に入って、金甫空港へ向かう。
心の中で「ごめん」とつぶやく。



早朝にも関わらず、相変わらずソウルの地下鉄は人が多い。
空席がそれほど目立たない。



空港へ到着。

終わった。
韓国旅行が終わった。
色々あった。
でももう終わりだ。
飛行機の中でご飯が食べられる。
そして、一年ぶりの日本だ。
ラーメン食べたい。牛丼食べたい。そば食べたい。
でも…なんだろう、面白い小説の残りページ数が少なくなってしまったような心境。
ちょっと悲しい。

しかし無常にもフライトの時間は迫っている。
荷物を預け、とうとうゲートへと向かう。

その入り口で空港職員のお姉さんが笑顔で迎えてくれた。
彼女は手を出す。
握手をしようというわけではない。
何かを渡せという雰囲気だ。

「クコリヨジェお願いします~」



うん? クコリヨジェ?




くこりよじぇ?











クーコーリヨーゼー










・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

















空港利用税!





ヒイイイイイイイイイイッツ!!!!!!!!






な、なんですと?





だってボクお金ないー。
クレジットカードもなーい。
友達もいなーい。

こんな状態にも関わらず他人に頼るのが嫌だ。
何かすることは頼めるのだが、お金が絡むお願いは絶対にしたくない。
例えばメール友達に電話してもすぐに借りられるわけじゃない。
空港内の自動販売機や、公衆電話の釣銭口で取り忘れた小銭を集めようと考えたが…時間もない…


ので…


結局、お願いして日本人観光客に借りた。_| ̄|○



うわっ、ふつ~
何のヒネリもなし。

でも本当だし…

しかも1000円だけ…

あんなに空腹我慢したのに…
そう。結局、借りた。
汚点だ。

うぉおおおお!!!




美しくない!
パズルで最後の1ピースだけ形が違うような感じだ。
実に不愉快。
この旅行記、そんなに嫌いじゃなかったのに…最後が極めて美しくない。

パスポートの中に残ってたよ。実物。これだ。これ。悪の根源。



今はこのような税金は全て航空券に含まれてるけど、当時は不便な時代だったのだ。

失敗した…この旅行記、バナナ飲んだところで、もう終わりにするべきだった。


くっ…








とにもかくにも…

1年ぶりの日本。


相変わらず我が故郷は田舎だ。空気が美味しい。


友達が言う。
「ニュージーランドどうだった?」

あ。そうだ。そういえばそんな国に行ってたんだね。
あまりに韓国での強烈な思い出が残っていたせいで忘れてたようだ。

灼熱のソウル、ヨボセヨ女、焼肉、カジノ、カルグクス&餃子、メール友達、釜山のアジト、音のない歌番組、そしてかわいい馬たち…



さらに
下痢バナナ
































お前は帰れ。











うーん…

悲惨なことが多かったけど…でもね、今となれば楽しかったですよ。
たった2週間だったけど、様々な記憶が頭の奥深くまでしっかりと残ったし。
うん。韓国…みんな思い出をありがとう!!!
マンセー!!

そして、いつか再び出会う日まで…




さような…




































って美しく終わると思う?

この俺の性格で。

ふーざーけーんなーーーーー

大韓民国!!!!復讐だ!復讐だ!!!

次こそは美しい芸術的な旅行にしてやる!!!!!





ガアアアア!




そしてメラメラと復讐に燃える誇り高き侍の子孫が、再び韓国の地を踏んだのは…

約1年後のことだった。

そう。冒険は終わらない。韓国旅行記2へ続くのだっ!

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