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ASUS P4P800-DeluxeオンボードLANレビュー


2004.1.2

メーカー ASUSTec COMPUTER INC.
製品名 P4P800-Deluxe
購入価格 \15980(2003年11月)
オンボード搭載LANチップ 3Com:940-MV00
Jumbo Frame
画像元:ASUSTeK COMPUTER INC.


ASUS製865PEチップセットマザーボード“P4P800-Deluxe (以下P4P800-D)”にオンボード搭載されているLANコントローラー“3com製 3C940”。
最近の『ギガビットLAN搭載』を謳うマザーボードの多くはRealtek製RTL8169シリーズをオンボード搭載しがちですが、せっかくのGbEなのですから このような“良チップメーカー”の製品を搭載して欲しいものです。

3com製の低価格GbE NICである3C2000-Tでは、このチップのBGAパッケージ版を搭載しています。形こそ違うものの スペックシートでは機能的にも同等なので、性能的にも同等の結果が期待できるのではと思われます。

また、Radeon IGPを搭載したP4R800-V Deluxeでは ギガビットLANを66MHz PCIでノースブリッジに接続する「ASUS LAN Accelerating Technology(LAT)」によりこのチップが接続されていますが、 この製品はチップセットはi865PEなので、従来通り32bit/33MHz PCIで接続されています。



ネットワークコントローラーチップ
・コントローラーチップ

3com製 “3c940-MV00”。 3com 3C2000-TではこれのBGAパッケージ版である“3c940-MV00-BGA”が採用されています。

ワンチップ型で対応PCIバスは33/66 MHz。PCI2.2に準拠し、供給電圧は1.5,2.5,3.3Vに対応。LOMに対応しています。
Packet Bufferの搭載量は128kbで、TCP/UDP/IPチェックサム, WfM 2.0, ACPI 2.0, PXE 2.1等をサポートします。

3c940-MV00-BGAと同様に、このチップにも“Marvell Technology”のロゴがプリントされており、 恐らくは“Yukon-32 88E8003(14mm x 20mmの128pin LQFP)”と同一のチップと思われます。


トランスフォーマー ・トランスフォーマー

DELTA製“LF9203



100Base-TX環境下でのファイル転送について測定方法はこちら


ローカル-リモート間ファイル転送速度
測定環境
ローカルPCMain PC (P4P800-D)
リモートPC2nd PC (Pro/100 S)
接続形態Hub経由
プロトコルTCP/IP
接続速度100Mbps / Full Duplex
転送ファイル容量300MB
※ダミーファイルをエクスプローラーにて転送し、5回の平均転送時間を元に転送速度を求めた。測定にはストップウォッチを使用した。
・CPU負荷
Remote → Local (Download) Local → Remote (Upload)
Pro/100 S
TCP/IP
(PROSetII:8.21)
Download時CPU負荷

Upload時CPU負荷

P4P800-D
TCP/IP
(3Com:1.0.0.44)
Download時CPU負荷 Upload時CPU負荷





GbE環境下でのファイル転送について測定方法はこちら


GbEでのローカル-リモート間ファイル転送速度
測定環境
ローカルPCMain PC (P4P800-D)
リモートPC2nd PC (Pro/1000 MT)
接続形態クロスケーブル直結
プロトコルTCP/IP
接続速度1000Mbps / Full Duplex
転送ファイル容量1.0GB
※ダミーファイルをエクスプローラーにて転送し、5回の平均転送時間を元に転送速度を求めた。測定にはストップウォッチを使用した。
・CPU負荷
Remote → Local (Download) Local → Remote (Upload)
Pro/1000 MT
(PROSetII:8.21)
Download時CPU負荷

Upload時CPU負荷

P4P800-D
TCP/IP
(3Com:1.0.0.44)
Download時CPU負荷 Upload時CPU負荷




データ転送時間とチップ表面温度(℃)

チップ表面温度
測定環境
100Base-TX1000Base-T
ケース内温度
(測定開始時)
25.1℃26.0℃
ケース内温度
(測定終了時)
25.2℃26.0℃
室温22.4℃23.2℃
※温度変化が30秒以上観察されなくなるまでダミーファイルを連続的に転送した。

総合評価

室温や実装されている基板の大きさ等もあると思いますが、1000Base-T環境下でのチップ表面温度は3com 3C2000-Tよりも 低い値でした。

速度・負荷について見てみると、100Base-TX環境下では速度・負荷の両方でPro/100Sと同等。
1000Base-T環境下ではPro/1000 MTよりも速度は劣るものの、負荷面では同等かそれ以下という結果になりました。
オンボードLANとしては非常に優れているので、100Base-TXだけでなく1000Base-T環境下でも積極的に利用していきたいです。

最近はGbEハブもかなり値が落ちてきているので、家庭内でGbE環境を導入したいと考えている方も多いのではないでしょうか。
P4P800-Deluxeは865PEチップセット搭載マザーの中では高値の部類に入りますが、3com 3C2000-Tの実売価格が\6800程度 というのを考えると、後からGbE NICを購入しなくて済む分お得と言えそうです。