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IO DATA ETG2-PCIレビュー


2003.12.22

LANカード「ETG2-PCI」全景
メーカー IO DATA
製品名 ETG2-PCI
購入価格 \2680(2003年11月:リテール)
採用チップ Realtek:RTL8169S-32
Jumbo Frame
WOL端子
WOLケーブル付属
AUTO-MDIX
LowProfile対応 ○(専用ブラケット付属)
対応OS Windows98SE以降
LINUX
MacOS X 10.2〜10.2.8


IOデータ製のGbEとしては2つ目の製品です。
位置付けとしてはETG-PCIの後継製品なのですが、 ET100-PCI-LET100-PCI-L2にモデルチェンジしたときと同様に、 この製品では蟹(Realtek製)チップを採用しています。
最近はどのメーカーも蟹チップを採用する傾向にあるようで、面白味に欠けます。

同じチップを搭載しているPLANEX製GN-1200TCとの違いとして、WOL端子を搭載していることが挙げられます(ただしWake On LAN機能はサポート外)。
コンデンサではGN-1200TCがアルミニウム電解コンデンサに対し、ETG2-PCIではタンタルチップ型が実装されています。RTL8169Sは激しく 発熱するので、こちらのほうが安心できます。
また、Power Mac G5以外のPower Mac(MacOS X 10.2〜10.2.8)にも正式に対応しているようです。

カタログより、供給電圧は5V,最大消費電流が1Aとのことなので、消費電力は最大で5Wとなります。平均的な消費電力については不明ですが、 Intel,3com,Broadcom製コントローラーチップ搭載のNICと比べると高い値であることは間違いなさそうです。



ネットワークコントローラーチップ
・コントローラーチップ

Realtek製“ RTL8169S-32

RTL8169の後継チップで、32bit版(RTL8169S-32)と64bit版(RTL8169S-64)があり、パッケージもそれぞれ異なります。32bit版が128-pin QFP(T\RTL8139xと同じ形状)で、64ビット版が233-pin TFBGAになります。

主な変更点は、PHYを内蔵することによりワンチップ化されたことと、180nmプロセスで製造されるようになったため、小型化したことです。
送信用に8kb,受信用に64kbのFIFO Bufferを内蔵しています。

また、同時に発表されたコントローラーチップとしては「RTL8110S」があり、こちらは機能がほとんど同じですが、マザーボードのオンボード向け(LOM対応)となっていて、 GIGABYTE製マザーボード “GA-7N400 Pro2”や DFI製マザーボード “865PE INFINITY” 等に搭載されています。

ブラケット部 ・ブラケット部

ステータス確認用のLEDは3個。
「LINK/ACT 1000」,「100」,「10」

トランスフォーマー ・トランスフォーマー

LANKom製“SQ-H40B”

WOL端子 ・WOL端子

GbEにしては珍しく、WOL端子があります。
説明書,Webともに、Wake On LAN機能はサポート外との記述がありました。



100Base-TX環境下でのファイル転送について測定方法はこちら


ローカル-リモート間ファイル転送速度
測定環境
ローカルPCMain PC (ETG2-PCI)
リモートPC2nd PC (Pro/100 S)
接続形態Hub経由
プロトコルTCP/IP
接続速度100Mbps / Full Duplex
転送ファイル容量300MB
※ダミーファイルをエクスプローラーにて転送し、5回の平均転送時間を元に転送速度を求めた。測定にはストップウォッチを使用した。
・CPU負荷
Remote → Local (Download) Local → Remote (Upload)
Pro/100 S
TCP/IP
(PROSetII:8.21)
Download時CPU負荷

Upload時CPU負荷

ETG2-PCI
TCP/IP
(IO DATA:1.00)
Download時CPU負荷 Upload時CPU負荷





GbE環境下でのファイル転送について測定方法はこちら


GbEでのローカル-リモート間ファイル転送速度
測定環境
ローカルPCMain PC (ETG2-PCI)
リモートPC2nd PC (Pro/1000 MT)
接続形態クロスケーブル直結
プロトコルTCP/IP
接続速度1000Mbps / Full Duplex
転送ファイル容量1.0GB
※ダミーファイルをエクスプローラーにて転送し、5回の平均転送時間を元に転送速度を求めた。測定にはストップウォッチを使用した。
・CPU負荷
Remote → Local (Download) Local → Remote (Upload)
Pro/1000 MT
(PROSetII:8.21)
Download時CPU負荷

Upload時CPU負荷

ETG2-PCI
TCP/IP
(IO DATA:1.00)
Download時CPU負荷 Upload時CPU負荷




データ転送時間とチップ表面温度(℃)

チップ表面温度
測定環境
100Base-TX1000Base-T
ケース内温度
(測定開始時)
25.0℃25.9℃
ケース内温度
(測定終了時)
25.1℃26.0℃
室温22.0℃22.6℃
※温度変化が30秒以上観察されなくなるまでダミーファイルを連続的に転送した。

総合評価

相変わらずの発熱・CPU負荷が確認できました。
1000Base-Tでのファイル転送では、Pro/1000 MTより遅いにもかかわらず、Pro/1000 MTよりも高負荷でした。
ただでさえ1000Base-T環境下ではPCに負荷がかかるので、今のマスン環境でGbEでの恩恵を最大限に受けたいのであれば、 GN-1200TC同様このNICはお勧めできません。
NICの発熱による他パーツへの影響も心配ですし、低価格を最優先にGbE環境を実現したいのでなければ避けた方が賢明です。