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IO DATA ET/PNA-PCI-3レビュー


2004.01.28

LANカード「ET/PNA-PCI」全景
メーカー IO DATA
製品名 ET/PNA-PCI-3
購入価格 \580(2004年1月:ジャンク品として)
採用チップ AMD:AM79C978KC
WOL端子
WOLケーブル付属
AUTO-MDIX ×
LowProfile対応 ×
対応OS Windows95以降


IOデータより2000年4月に発売された、HomePNA(1.0準拠)とEthernet対応のPCIバスハイブリッドアダプタ。
WOL機能は使えないものの、PC-9821シリーズのデスクトップPCでも使用することが出来ます。

HomePNAとは電話線を用いたネットワークのことで、HomePNA1.0 の場合、1Mbpsの通信速度でファイルやプリンタの共有ができます。
Ethernetと比べて有利なのは、あらかじめ家の壁の中を通っている電話線を利用できるため、新規にLANケーブルをひっぱらなくても良いこと。 分配にイーサネットハブのようなものが必要ない(そこら辺で売っている電話線分配機)点が挙げられます。なお、通信距離は約150メートルまでとなっています。
ただ、今となっては無線LANがありますので、効率的な通信手段ではありません。
また、このNICではコントローラーチップが1つであるため、EthernetとHomePNAの同時使用はできません。


Windows XP ProではOS標準ドライバで『AMD PC-net-Home Based Network Adapter』と認識されました。
ただし、ドライバの設定画面で通信速度を設定しようとすると、設定項目が10Base-Tしかありませんでした。
実際には100Mbps,Full-Duplexでリンクしていましたが、あまり気持ちの良い状態ではありません。
Windows95,98,Me,2000のドライバはIO DATAのサポートページよりダウンロード可能です。

WindowsXP標準ドライバでの設定画面(1)

WindowsXP標準ドライバでの設定画面(2)


面白いことに基板の裏面にはLEDが一個実装されていて、データの転送があると点灯します。正直なところ、これがある意味が分かりません。 データ転送はブラケット部分のインジゲータLEDを見れば分かると思うのですが・・・。


同梱品としてWOLケーブルが2本入っていました(PC98-NX,DOS/V用)。
カタログより、最大消費電力は2.2W。



ネットワークコントローラーチップ

・コントローラーチップ

AMD製“AM79C978KC”。
Am79C971をベースにしたコントローラーチップで、10BASE-TのPHYと1Mbps HomePNA PHYを内蔵していますが、100Base-TX PHYは内蔵していないため、外付けする必要があります。
FIFO Bufferは内蔵されるようになりました。

AMDのリファレンスドライバ(ver.1.08)はこちら

・PHYコントローラー

同じくAMD製“AM79C874”。

・トランスフォーマー

DELTA製“LF8275

・WOL端子

通常の端子です。

・ブラケット部

ステータス確認用のLEDは4個。 リンク確立時は基板裏面に実装されているLEDも点滅します。


フレッツスクエアでの速度測定

フレッツスクエアでの速度測定
測定環境
PCメインPC
接続形態ONU直結
MTU1454
RWIN260176
PPPoEフレッツ接続ツール1.5E
※対象NICで5回測定した直後にPro/100 Sで5回測を行い、それぞれの平均値をグラフに示した。





100Base-TX環境下でのファイル転送速度とCPU負荷測定方法はこちら


ローカル-リモート間ファイル転送速度
測定環境
ローカルPCMain PC (ET/PNA-PCI-3)
リモートPC2nd PC (Pro/100 S)
接続形態Hub経由
プロトコルTCP/IP
接続速度100Mbps / Full Duplex
転送ファイル容量300MB
※ダミーファイルをエクスプローラーにて転送し、5回の平均転送時間を元に転送速度を求めた。測定にはストップウォッチを使用した。
・CPU負荷
Remote → Local (Download) Local → Remote (Upload)
Pro/100 S
TCP/IP
(PROSetII:8.2)
Download時CPU負荷

Upload時CPU負荷

ET/PNA-PCI-3
TCP/IP
(WinXP標準)
Download時CPU負荷 Upload時CPU負荷
ET/PNA-PCI-3
TCP/IP
(AMD:1.08)
Download時CPU負荷 Upload時CPU負荷





データ転送時間とチップ表面温度(℃)

チップ表面温度
測定条件
ケース内温度
(測定開始時)
22.5℃
ケース内温度
(測定終了時)
22.7℃
室温20.4℃
接続速度100Mbps
転送プロトコルTCP/IP
※温度変化が30秒以上観察されなくなるまでダミーファイルを連続的に転送した。

総合評価

AM79C971をベースにしたチップを搭載しているだけあり、HP製 AM79C971搭載NICと同様の高いCPU負荷でした。DownloadよりもUploadのほうが 負荷が高いという特徴も同じです。
負荷と信頼性は別ですが、ロースペックPCでは使わないほうが良さそうです。

チップの発熱もAM79C971と同様に、ケース内温度+18℃前後でした。