NIC MANIA > LANカードレビュー > 3C905CX-TXM |
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天下の3com製3C905CX-TXM。 3comサイトにはこの型番が無く、代わりに 3C905CX-TX-Mや 3C905CX-TX-NMの情報があります。 恐らくは『-TX-M』がこれの同等品で、『-TX-NM』はこれのWOL無し版と思われます。 このNICに搭載されているコントローラーチップ『920-ST03』ですが、一部のADSLモデムやケーブルモデム,ルーターでリンクが確立しない,リンクしにくい, 速度が極端に遅い等の不具合があちこちで報告されてます。 NTT東日本によると、 『ADSLモデム→イーサネットアダプタ方向のパケットが正常に受信できず通信が確立できない。 このため、接続を確立できない、又は確立できてもスループットが数10kbps程度しかでない。』 とのことです。 この不具合は3com製最新ドライバで修正されていますので、ひとまずは最新のドライバを用意してから PCに挿してみることをお勧めします。 また、スイッチングハブを経由させることで不具合を解消できるかも知れないとのことです。 外見的なもので面白いのが、一見した限りではトランスフォーマーが見あたらない点です。 3C2000-Tでもそうですが、この製品ではトランスフォーマーがRJ45コネクタと一体化しています。 この手のトランスフォーマー(RJ45コネクタ)を採用しているNICは今のところ3comしか見たことがありません。恐らくは別々にしたほうがコスト的に有利なのでしょう。 なお、WindowsXPデフォルトドライバでは「3com Ether Link XL 10/100 PCI For Complete Managagement NIC」として認識されました。
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・コントローラーチップ 3Com製“920-ST03”。 同じく3Com製の”3c905”互換で、これを省電力化,小型化したものです。チップの発熱は以前より押さえられています。 安物なのに「3Com製チップオンボード」を謡う製品には大抵これが搭載されています。 ところでこの920-ST03は3com製のなかでも非常に評判の悪いチップで、一部のADSLモデムやルーターでリンクが確立しない/しにくい,速度が極端に遅い等の現象が多数報告されています。 原因はADSLモデム等のLANデバイスの物理層と、920-ST03の物理層との相性の問題で、ADSLモデム等からイーサネットアダプタへ向けたパケットが正常に受信できないためです。 この不具合は3com製最新ドライバで修正されていますので、上記のような症状が見られたときにはドライバのバージョンを確認することをオススメします。 |
・BOOT ROM SST(Silicon Storage Technology, Inc.)”製 “39VF512”。 64K×8 = 512KbitのFlash ROMで、2.7V,70nsものです。 |
・ブラケット部 ステータス確認用のLEDは2個。「ACT」は単色LEDで、「GRN/10」,「YEL/100」には2色LEDが使われています。 |
・WOL端子 |
・トランスフォーマー Bel Fuse製 “S811-1X1T-A4”(pdf形式)。 RJ45ジャック一体型です。 |
フレッツスクエアでの速度測定
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3comらしく負荷は低いのですが、3C905B-TXと比べると通信が不安定に感じました。 また、WindowsXP標準ドライバではDownload速度に難がありました。3com提供ドライバに変更したところ通信速度は戻りましたが、負荷が高くなってしまいました。 基板や細かな電子部品はしっかりしていますが、実際に使ってみるとこの製品にはいつもの“3com製品らしさ”が感じられません。 これを選ぶのなら3C905B搭載NICのほうが安心して使えそうです。 |