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GREEN HOUSE 3C2000-Tレビュー


2003.10.27

LANカード「3C2000-T」全景
メーカー 3com
製品名 3C2000-T
購入価格 (人造梅様よりお借りしました)
採用チップ 3com:940-MV00-BGA
Jumbo Frame
WOL端子 ×
WOLケーブル付属 ×
AUTO-MDIX
LowProfile対応 ×
対応OS Windows98〜XP
LINUX


3com製の低価格GbE NIC“3C2000-T”。
日本国内では販売されていないため、購入は海外からの通販になります。 OSDN によると、アメリカでは$48〜$66程度で販売されているようです。

低価格とはいえども3com製だけあって造りが非常にしっかりしており、IntelPro/1000MTと同様に、電解コンデンサもアルミではなく全てチップ型が使用されています。

一見するとトランスフォーマーが見当たりませんが、RJ45ジャックと一体化しています。

データシートより、動作電圧は5Vで、消費電力は3Wとなっています。

関連情報
 ・3C2000-T製品情報(英語)
 ・3C2000-Tマニュアル(pdf,日本語)
 ・3C2000-Tドライバ(33Mbyte)
 ・3C2000-T関連ダウンロード一覧



ネットワークコントローラーチップ
・コントローラーチップ

3com製“Marvell 940-MV00-BGA

オンボードで搭載されている“940-MV00” のBGAパッケージ版で、ワンチップ型です。

対応PCIバスは33/66 MHzで、PCI2.2に準拠し、供給電圧は1.5,2.5,3.3Vに対応。LOMに対応しています。
Packet Bufferの搭載量は128kbで、TCP/UDP/IPチェックサム, WfM 2.0, ACPI 2.0, PXE 2.1等をサポートします。

気になるのが3comのロゴと同じ大きさでプリントされているMarvell Technologyのロゴ。
もともとMarvellではPHYコントローラー“88E1xxx”シリーズや “Yukon 88E80xx” というネットワークコントローラーを製造しています。 Mrrvellのデータシートによると、“Yukon-32 88E8006”は17mm x 17mm, 256pinのTFBGAパッケージということで、この“940-MV00-BGA”と大きさ、性能共に一致します。
恐らく“940-MV00-BGA”はこれをベースにして開発されたと考えられます。

ちなみに“Yukon-32 88E8003”は14mm x 20mmの128pin LQFPパッケージで、恐らく“940-MV00”と同一と思われます。


ブラケット部 ・ブラケット部

ステータス確認用のLEDは4個。
「10」,「100」,「1000」,「ACT」

トランスフォーマー ・トランスフォーマー

Bel Fuse製“0813-1X1T-A6”。
RJ45ジャック一体型です。
これの4ポート版が“0813-1X4T”になります。


Netperfでの測定結果測定方法はこちら


Netperf測定結果グラフ
測定環境
NIC1
(Local PC)
3C2000-T
Pro/100S
Pro/1000MT
NIC2
(Remote PC)
100TX:Pro/100S
1000T:Pro/1000MT
接続形態100Base-TX:Hub経由
1000Base-T:直結
接続速度100Mbps / 1000Mbps
プロトコルTCP/IP
CPU負荷測定時間30秒
※ダミーファイルをエクスプローラーにて転送し、5回の平均転送時間を元に転送速度を求めた。測定にはストップウォッチを使用した。
・CPU負荷
Remote → Local (Download) Local → Remote (Upload)
Pro/100 S
100Base-TX
(PROSetII:8.2)
Upload時CPU負荷

Download時CPU負荷

3C2000-T
100Base-TX
(3COM:1.0.4.4)

Upload時CPU負荷

Download時CPU負荷

Pro/1000 MT
1000Base-T
(PROSetII:8.2)
Upload時CPU負荷

Download時CPU負荷

3C2000-T
1000Base-T
(3COM:1.0.4.4)

Upload時CPU負荷

Download時CPU負荷







100Base-TX環境下でのファイル転送について測定方法はこちら


ローカル-リモート間ファイル転送速度
測定環境
ローカルPCMain PC (3C2000-T)
リモートPC2nd PC (Pro/100 S)
接続形態Hub経由
プロトコルTCP/IP
接続速度100Mbps / Full Duplex
転送ファイル容量300MB
※ダミーファイルをエクスプローラーにて転送し、5回の平均転送時間を元に転送速度を求めた。測定にはストップウォッチを使用した。
・CPU負荷
Remote → Local (Download) Local → Remote (Upload)
Pro/100 S
TCP/IP
(PROSetII:8.2)
Download時CPU負荷

Upload時CPU負荷

Pro/1000 MT
TCP/IP
(PROSetII:8.2)
Download時CPU負荷

Upload時CPU負荷

3C2000-T
(Buffer=50)
TCP/IP
(3COM:1.0.4.4)

Download時CPU負荷

Upload時CPU負荷

3C2000-T
(Buffer=100)
TCP/IP
(3COM:1.0.4.4)

Download時CPU負荷

Upload時CPU負荷

3C2000-T
(Buffer=200)
TCP/IP
(3COM:1.0.4.4)

Download時CPU負荷

Upload時CPU負荷






GbE環境下でのファイル転送について測定方法はこちら


GbEでのローカル-リモート間ファイル転送速度
測定環境
ローカルPCMain PC (3C2000-T)
リモートPC2nd PC (Pro/1000 MT)
接続形態クロスケーブル直結
プロトコルTCP/IP
接続速度1000Mbps / Full Duplex
転送ファイル容量1.0GB
※ダミーファイルをエクスプローラーにて転送し、5回の平均転送時間を元に転送速度を求めた。測定にはストップウォッチを使用した。
・CPU負荷
Remote → Local (Download) Local → Remote (Upload)
Pro/1000 MT
TCP/IP
(PROSetII:8.2)
Download時CPU負荷

Upload時CPU負荷

3C2000-T
(Buffer=50)
TCP/IP
(3COM:1.0.4.4)

Download時CPU負荷

Upload時CPU負荷

3C2000-T
(Buffer=100)
TCP/IP
(3COM:1.0.4.4)

Download時CPU負荷

Upload時CPU負荷

3C2000-T
(Buffer=200)
TCP/IP
(3COM:1.0.4.4)

Download時CPU負荷

Upload時CPU負荷





データ転送時間とチップ表面温度(℃)

チップ表面温度 測定環境
100Base-TX1000Base-T
ケース内温度
(測定開始時)
27.9℃28.4℃
ケース内温度
(測定終了時)
27.9℃28.7℃
室温23.5℃23.5℃
接続速度100Mbps1000Mbps
転送プロトコルTCP/IPTCP/IP
※温度変化が30秒以上観察されなくなるまでダミーファイルを連続的に転送した。

総合評価

Netperf,エクスプローラでのファイル転送のCPU負荷共に、100Base-TX環境ではPro/100 Sよりも優秀な成績を示しました。
1000Base-T環境下ではPro/1000MTよりも安定したCPU負荷なので、通信自体も安定していると思われます。
ただ、GbE通信時の発熱はPro/1000 MTよりも若干高いようです。

“Number of Receive Buffers”と“Number of Transmit Buffers”の値をいくつか変更して測定しましたが、転送速度やCPU負荷に変化は 認められませんでした。

現時点では海外からの通販しか入手方法は無く、入手性は極めて困難な製品ですが、少なくとも価格以上の性能であることは確かです。