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IO DATA ETG-SH5レビュー


2004.04.30　（最終更新：2004.05.05）

スイッチングハブ「ETG-SH5」全景
メーカー IO DATA
製品名 ETG-SH5
購入価格 \8379（2004年4月）
ポート数 5
採用チップ ASIX：AX88655A
Jumbo Frame対応 ○(14335byteまで)
Buffer Memory 128Kbyte
電源 ACアダプタ
放熱ファン 無し
消費電力 9W (Max)


IOデータより発売されている、5ポートGbEスイッチングハブ。
最大の特徴は対応しているジャンボフレームの大きさで、この価格帯のGbEハブでは一般的に9,000byteまでなのに対し、 この製品は14,335byteまでサポートしています。
ただし、実際にPCでMTU=14335としてに設定しても通信を行うことができませんでした（MTU=14300でも測定不可，14200では測定可能でした）。

DC INとLANコネクタは全て背面にまとめられており、正面はステータス確認用のLEDのみしかありません。
用途によって意見が分かれるところですが、個人的にはケーブルを全て背面にまわせるほうが使い易いです。


ケースを開けた状態
基板

ケース内のパーツでヒートシンクが搭載されているものはありませんでした。
付属のACアダプターは小型ですが、タップの向きによっては隣のコンセント穴を潰してしまいそうな形状です。


・正面

フロント写真
ステータス確認用LEDのみです。
・背面

背面写真
ポート及びACジャックは背面にあります。他の5ポートHUBと同様に、4ポート+1ポートというジャック構成です。
コントローラーチップ ・コントローラーチップ

ASIX製 “AX88655A”
5ポート用のスイッチコントローラーで、272-pin BGAパッケージです。
VLANおよび12Kbyteのジャンボフレームに対応。
Buffer Memoryとして128Kbyteを内蔵しています。

発熱量は非常に少なく、ヒートシンク無しでも問題無さそうです。

これの8ポート対応版としてAX88658Aがラインナップされています。

PHYコントローラー
・トランシーバー

Marvell製“ 88E1111”。

パッケージは96-pin BCCで、サイズは9mm x 9mmと非常に小さくなっています。消費電力は0.75W。
Flash ROM ・Flash ROM

HOLTEK製 “HT24LC16”
トランスフォーマー ・トランスフォーマー

Buthhand製“LA4E”
RJ45ポート一体型です。4ポート型1個と1ポート型1個で計5ポートとなっています。


1000Base-T環境下でのファイル転送速度（測定方法はこちら）


ローカル-リモート間ファイル転送速度
測定環境
Local PC
(NIC)		Main PC
（Pro/1000 MT）
Remote PC
(NIC)		2nd PC
（Pro/1000 MT）
MTU / RWIN1500 / 268640
9000 / 1648640
14000 / 2568640
接続形態直結
接続速度1000Mbps
プロトコルTCP/IP
転送ファイル容量1.0GByte
※ダミーファイルをエクスプローラーにて転送し、5回の平均転送時間を元に転送速度を求めた。測定にはストップウォッチを使用した。



Netperfでの測定結果（測定方法はこちら）


Netperf測定結果グラフ
測定環境
Local PC
(NIC)		Main PC
（Pro/1000 MT）
Remote PC
(NIC)		2nd PC
（Pro/1000 MT）
MTU / RWIN1500 / 268640
9000 / 1648640
14000 / 2568640
接続形態直結
接続速度1000Mbps
プロトコルTCP/IP
※測定PCそれぞれでnetserver.exeを起動し、測定を行った。測定は「netperf -H」コマンドによる。



データ転送時間とチップ表面温度(℃)

チップ表面温度
測定環境
室温23.8℃
接続速度1000Base-T
転送プロトコルTCP/IP
※温度変化が30秒以上観察されなくなるまでダミーファイルを連続的に転送した。
総合評価

ファイル転送では相変わらずMTU値と速度に一貫性が見られませんでした。特にMTU=14000ではこのHUBを使った通信の速度が不安定で、 平均をとると直結よりも随分と遅くなってしまいました。

Netperfでの結果ではMTU値が大きくなるにつれて速度の向上が確認できましたが、MTU=14000ではファイル転送と同様に速度が不安定でした。

MTU=9000以上であまりパフォーマンスの向上が認められないことを考えると、メルコから発売（放出？）されている格安かつ9,000byteの ジャンボフレーム対応GbEハブ“LSW-GT-5W”に押されてしまうことは確実です。
しかし小型で全てのポートが背面にまとめられている点については評価できます。